新型コロナウイルスは世紀中からも検出されるかもしれないという報告がJAMA Network Openにありましたのでご紹介します。
回復期にある患者からも検出されうる
中国で50人のコロナ感染者のうち精液が採取可能であった38人の精液を分析しました。
感染の急性期にあった15人中4人(26.7%)、回復期にあった23人中2人8.7%からSARS-Cov-2のウイルスが検出される結果となっています。
感染が比較的落ち着いてからもSARS-Cov-2が精液中に検出されるかもしれないということは性行為による感染や妊娠への影響を考える必要がありそうですね。
筆者らは他のウイルス感染症でも精液中にウイルスが検出される可能性はあり、この結果が特段にSARS-Cov-2に特徴的ともいいきれないと考察しています。
非常にサイズが小さい報告でありこの結果から何か結論づけることはできないとおもいます。
もし無症候性の患者の精液からもウイルスが検出されるようことがわかれば確かに性行為の経膣的な感染リスクというのは評価が必要に思います。
母から子への垂直感染はあまりはっきりしていませんが、男性の精子経由はどうなのか気になりますね。
COVID-19の生殖機能の男性因子の影響も気になります。
コンドームを使おう
いまのところ精液からSARS-Cov-2が検出されるのが何を意味するかはわかりません。
コンドームを使用することでSTD以外の病原菌にもさらされるリスクを減らせることは明らかです。
いずれにせよコンドームの適切な使用があらゆる感染防御に大事ということを示していると思います。
参考文献
JAMA Network Open. 2020;3(5):e208292. doi:10.1001/jamanetworkopen.2020.8292