個人的な意見ではあるが医師国家試験で最低限やったほうがいいなということ
直近3年分の過去問を解く
まずはこれかなと思います。
医師国家試験は時間との勝負です。試験時間のことではありません。試験までの準備期間をいかに効率よく過ごすかが大事になってきます。国試の勉強にとらわれすぎて好きな分野の勉強ができないとか、趣味、部活や研究なんでもいいけど人生の貴重な時間を自由に使えないのはもったいないです。
もちろん国試に受からないと医師になれないので、受からなければというプレッシャーは相当なものです。でも効率は大事です。なので絶対にやるべきことを考えてみたいと思います。
直近3年分の過去問を解く=敵を知ること
これはかならずやったほうがいいし、一番最初に手を付け始めたいです。
たまに直前模試的な感じで腕試し用に最後まで前年の過去問を解かないで残して置いたりする人がいるかもしれません。これは好きなものを最後まで残しておいて、気が付いたら他の人が食べてしまっているタイプの人です。
基本的に国試は直近の問題をネタにした出題が非常に多いです。これはやってみればわかります。理由を考えていきたいと思います。
出題者は総入れ替えではない
一つには出題者がかぶっていることは関係していると思います。出題者は年々交代するものの、全員が一変に交代するわけではないので特に同様の出題者のが似通った趣向のネタを使うというのは考えられます。予想問題なんかはここら辺を考慮して作っているのではないでしょうか。
国家試験という特性
もう一つ考えられる理由は今の医師国家試験の状況を考えれば容易く想像できます。
医師国家試験は資格の認定試験で一定の能力を評価するためのものという建前はありますが、合格率は医師数の確保という点で国家の政策の影響が色濃く出るとうことは周知の事実です。歯科医師国家試験は惨状だが、医師国家試験は現状は9割近くが合格しているしその状況はここ数年で大きく変わることはありません。新設医大ができているくらいだしね。
逆の立場で考えてみればわかるけど、9割程度は合格するが合格した人は医師としての能力が保証される試験を作ってくださいと出題者は言われたら大変です。そのような立場にたったときどうするか。
資格試験であるからあまりにも簡単な問題は回答できた人の能力を担保する意味がないので出せないのは当然。逆に難しくしすぎれば平均点はガクッと下がってしまいます。さすがに40点の人まで合格にすることは資格試験の体裁からすれば難しいので8-9割にひとにはそこそこ良い点をとってもらいたいと思っているのです。
何年臨床経験があっても全く見たことない、勉強したことのない症例を初見で鑑別したり治療したりということは到底不可能です。あたりまえだけど。臨床的な経験がそれなりにあってある程度は知識が成熟していればなんとなくやるべきことは予想はつくけど実際は症例報告やガイドライン、教科書、論文を探しながら対応していくことになります。
受験生にとっての症例は、過去問で解いたことがあるor臨床実習や卒業試験で見たことあるものに限ることになります。それから外れるものは未知の領域です。例えば誤嚥性肺炎はすごーくcommonな症例ですけど大学病院にはすくないだろうし、試験でも取り上げられることは少ないから誤嚥性肺炎をネタに出題したら選択肢の出し方によってはすごく難問になるかもしれないです。
臨床医が普段よく見かける症例を問題にしても、似たような問題を解いたことがなければ受験生からすれば以外に難題になってしまうかもしれません。
臨床に則した問題というのはトレンドですが、そもそも臨床を経験する機会が少ない人間に対してこれまで出題されたことのないことネタにした臨床系の問題をがどれくらい解けるのかはあらかじめ予想することは困難でしょう。こう考えると臨床に則した問題というのはなかなか出題しにくいのではないかと思います。
このブログでは国家試験勉強が単なる資格勉強で終わらないでその先の研修やもっと先にも役立つ橋渡しをできればと思ってますが、国試が受験生にとってヘンテコリンに感じる問題を出す苦悩はそれなりに想像できます。座学で学ぶの知識と臨床的な実践で使う知識というのにはどういうわけか乖離があります。
そんなわけで少しでも合格率を下げないようにコントロールしつつ、ある程度の難易度と質も確保しつつ、最近の流行の臨床に即した問題を出すにはどうしたってある程度は過去問を流用するしかないというわけです。しかもみんなが解いている直近の問題を題材にした問題はかなり出やすいことが予想できます。3年というのに根拠はないけどそれくらいで出題者が結構いれかわるんでないかなと思います。
なのでまず直近3年分をしっかりやりましょう。あとはどれだけ+αしたいかで個人の勉強量が変わっていくんだと思います。